次の日、私は清佳と廊下を歩いていた。

更衣室で体操着に着替え、体育館へと行く。

体育館には、私のクラス以外の人がいた。

「何組だろ?合同体育なのかな?」

清佳が私に言う。

数人の男子生徒が、準備体操の時間までの間にバスケをしていた。

その中の一人がシュートを決めたのを見て、清佳が言った。

「お、あの子かっこいい!どこのクラスだろ」

しかし、私はその問いに答えることが出来ず、その子に釘付けになった。

同じチームの子にハイタッチをした俊は相手にボールをパスした。

前にもあった、この、胸がきゅぅぅんと
締め付けられる感じ。

「瑠璃?」

ハッと我を取り戻して、体育館シューズに履き替えるために屈んだ。

「あ!危ない!!!」

誰かの声に、顔を上げた。

目の前にはボール。

バスケットボールがものすごい勢いで、私の方へ飛んでくる。

私はぎゅっと目を瞑った。



パンッ!!



「ご、ごめん!大丈夫⁉︎⁉︎」

目を開けると、俊の顔が目の前にあった。

痛みはない。

「だ、大丈夫」

「ごめん、本当に、ごめん…本当に大丈夫?怪我はない?」

俊は心配そうに頭を撫でた。

「大丈夫、本当に大丈夫だから」

彼は、ほっと安心した顔をして、立つのを手伝ってくれた。

そのときに見つけた。

彼の手が赤くなってるのを。

守ってくれたんだ………。