しかし土方さんに先ほど文をも拒まれたというのにどういうことなのだろうか。

にわかに信じがたい。




斎藤さんをジッと見ていれば負けじと向こうも見てきた。




「....あんたのことだ、土方さんに文を捨てられたのが気に食わないのだろう」




「当たり前です、他人の文を捨てるだなんてありえない」





「だが、会う機会を設けると言い出したのは土方さんだ」




「....え」




まさかの発言に私は目を見開いた。
あの人は何を考えているのだろうか、全くもって理解できない。




私を信用できないと言って文を捨てたと思ったら外との接触の機会を設けたり。




けれど、主人と話せるというのならこれは逃してはいけない。




「....その日まで我慢しろと」




「そういうことだ、理解したのなら部屋に戻ってくれ

土方さんの怒りは買いたくないのでな」




「....」




――あと、数日待てば主人と話せる。




もしかしたら主人が、無理矢理連れ戻してくれるのではないかと期待している自分がいた。

私は目に焼き付けるかのように物陰から、面会を訴える主人を見つめる。




しばらくすると斎藤さんに首根っこを捕まれ部屋に再び閉じ込められた。