「会わせていただけるんですか!」




「....ああ」




思ってたより早く返されたその言葉に違和感を覚えるがそれでも嬉しくなった。

芹沢さんに会える。
ならば、私が眠ったあと主張が認められたのだろうか。




芹沢さんは生きているのだと、




思っていた、




のに。




「ほらよ、芹沢さんだ」




そう言って私が案内された場所は、八木邸のすぐそばにある壬生寺。

一つの墓の前に立たされた。




「....ここに居れば芹沢さんに会えるということですか?」




「ここまでされて理解できねぇ頭なのか」




視界が涙で歪む。
頭の片隅で理解はしている。理解はしているのに、私はそれを拒絶している。




声も出せずに呆然としていれば土方さんが私を肩に担いで歩き出した。




「芹沢さんを殺したのは俺だ」




土方さんは何の抑情もない声でそう言う。
ブツリ、心の中で何かが切れた音がした。




「もしこれを他言すれば、俺はお前を殺す」




「........」




「いや俺、じゃねぇな....俺達壬生浪士組が、だ」




「....して」




「あ?」




「返して、ください」




殺す、なんて簡単なことなんだろう。
きっとこの人達にとっては一瞬のことなんだろう。




それがすごく腹立たしい。




「返してください」




「........」




見下すような声で。




活かすことも出来ないくせに
殺すだなんて甚だしい。




私は土方さんに「返してください」と言い続けた。