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「........」




見たことのない天井。
天井なんてどこも同じようなものだがここが甘味処ではない事がわかる。




「う、ゲホッ」




体を起こせば痛みに気づいた。
手刀を落とされたのだろう、首の後ろをさすりながら頭の中を整理した。




「....芹沢さん、は」




第一に浮かんだのは芹沢さんのこと。
嫌な汗が出てくる。




かけられていた布団を押しのけ、まだふらつく体を必死に動かしていると誰かが障子を開けた。




「あ....」




「....起きたのか」




土方さんだと認識した時にはざわりと全身が総毛立った。覚えている、昨日この人は芹沢さんに刀を向けていて。

私にだって殺気を当ててきた。




あからさまに怯えてしまっていたのか、土方さんは気まずそうな顔をしたあと頭をかきむしり私に近寄ってきた。




伸びてきた手に身の危険を感じる。




「ひゃっ」




頭を抱えて縮こまれば、盛大な舌打ちが聞こえた。




「何も今すぐには殺しゃしねぇよ」




「今すぐにはって....後で殺すんでしょう、同じことです!」




ああ、声が震えてしまった。
とても恥ずかしいがそんなことを気にしている場合ではない。

今は芹沢さんの安否を知るまで死ねないのだ。




「芹沢さんに....会わせてください」




「........」




土方さんの表情が一瞬で鬼のように変わる。
脅して大人しくさせようとしているのだろうか。

私は負けじと懇願した。




「せっ、芹沢さんに」




「そんなに会いたきゃ会わせてやる」




「................は」