「では....やはり私の心配など意味が無いのですね....」




「フン、誰がそう言った」




「だって!死ぬことが決まっていれば心配などしたって!」




悔しくて声を荒らげる。
人はいつか死ぬ、そんなことは分かっているが心配すら無意味だというのか。

私は唇をギュッと噛んだ。




「心配することだってお前の生き方なのであろう?ならば続ければ良い

喜ぶやつだっておるやもしれん」




「え....」




続ければ良い、この人は何を言っているのだろうか。無意味だとわかった今、私に続けろという。しかし私はどこかで嬉しくなっていた。




「確かに心配したところで生死は動かせん....が、その気持ちは時として人を救う」




「その言葉....信じてよいのですか....」




「知らん、自分で判断しろ」




「ならば芹沢さんは私に心配されてどう思いますか?」




キラキラと輝いた眼差しを向ければ
心底嫌そうな顔をされた。




「小娘に心配されるようなわしではないわ!」




「ああ、芹沢さんはそういう方でしたね」




どこかで期待していたような反応が返ってきたのでおかしくなり、クスクスと笑い出す。

芹沢さんの言葉のおかげで私の心は少し軽くなった。