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「チッ、時流も読めぬ幕府の犬が」




「まあ呑め」




壬生浪士組の名は、反幕府派の耳にも入っていた。その強さも芹沢が起こしている問題も。

反幕府派にとっては目障りでしかなかった。
それまで京で大きな顔をしていた浪士も壬生浪士組の登場で居場所を失いつつある。




今日も反幕府派の連中がひっそりと酒を飲み交わしていた。




「それにしてもこれでは我々も、うかつに動けんな」




「ああ....しかし聞くところによれば
奴らは腕は立つが隊士はまだ数える程しかおらぬらしい」




「それは誠か!」




「下から崩せば....潰れるやもしれんな」




下品な笑い顔が月明かりに照らされる。
京に不穏な空気が漂い出した。