「本庁って結構テンション高いだろ?」


「ああ、まあな。俺も昔、経験してるし」


「二課は嫌だよね。選挙違反とか知能犯とか企業犯罪とか、だから」


「うん。俺の古巣だけどな」


 そう言って、食事を取り続けた。


 島田も食べながら、しばらく気を抜いているようだ。


 思っていた。


 デカとして、成長している最中だと。


 警部補というのは、準キャリアの刑事にとって、難しい階級だ。


 上と下のサンドイッチになるのだし。


 警部も所轄なら、階級として、上の方だった。


 現にここの刑事課では、樋井の次の階級は俺なのだし……。


 警察官なら誰もが、出世したくないと言えばウソになる。