キーを叩き続けた。


 この男もよく仕事するな。


 そう思っていた。


 フロア隅のコーヒーメーカーでコーヒーを一杯注ぎ、飲んでから意識を覚醒させる。


 そしてパソコンを起動させ、キーを叩き始めた。


 別に変わったことはない。


 新宿中央署も管轄が広い分、警官は大勢いる。


 所轄署も刑事課だけじゃなくて、他に部署が複数あった。


 ただ、刑事課には常時八人ぐらいの警官が詰めている。


 俺も島田も歯車に過ぎない。


 単に一刑事として。


 確かに警視庁は二課時代にいたところなので、勝手は知っている。


 あそこは図体が大きいところだ。