自宅マンションは東京二十三区内にあり、通勤時間は片道三十分程度だ。
 

 都内には電車や地下鉄がたくさん通っている。


 元々東京の人間なので、慣れていた。


 署に着くと、島田がいて、


「トノさん、おはよう」


 と挨拶してくる。


「ああ、おはよう、シマさん。……早いな」


「うん。……さっき聞いたんだけど、今、一課が警視庁広域指定七×二事件で、手配中の羽野と衛藤の潜伏先を掴んだらしい」


「え?それどこ?」


「赤道直下にある、<ブルガビール島>って島らしいよ」


「ブルガビール島か……」


 ふっと思った。