もう四十代にもなれば、新しいことを始めるのは無理に近いと。


 まあ、警察官として、定年まで勤め上げ、八十歳から八十五歳ぐらいまで生きればそれでいい。


 そう思い、毎日を送っていた。


 別に日々そう変わったことはない。


 ただ、勤務日は若干気を張って行く。


 何せ、職務遂行中に眠気が差したりしたら、大変だからだ。


 そう考えれば、非番の日は自然とたくさん眠ってしまう。


 普段、睡眠を取り足りてないので。


 土曜の夜、午後十一時に眠り、翌朝午前七時にいったん目が覚めた。


 だが、もう少し寝ようと思って、布団をかぶる。


 まどろんだ。


 起き出したのが、午前八時半過ぎだった。