監察官である尾花と、検事総長の横川は動揺している。


 殺人事件で被疑者を逃がした罪で。


 なぜ、単に強請られただけで、ああいったことを仕出かしたのだろう?


 理解できなかった。


 ただ、公僕も人間だ。


 かばい合いたいのだろう。


 お互いに。


 もちろん、自分たちの利益を一円でも多く確保するため。


 キャリア警官や検事などは、頭脳が優秀なので、そういったことをもやむを得ないと思っているようだ。
 

 そういった側面にあの人間たちのおかしさを感じる。


 ずる賢いと言うか、何と言うか……?
 

 まあ、別に口にこそ出さないのだが……。