接触自体、普段からしていると聞く。


 常につるみ続けている。


 これは昔からそうだった。


 ヤクザとマル暴はお互い情報を仕入れ合うのに躍起だ。


 二課にいた頃も、同じ警視庁内に組対四課や五課の刑事がいて、何かとガラが悪かったのを覚えている。


 あの人間たちは同じ刑事でも異人種だと思っていたので、付き合いはほとんどなかった。


 ただ、組対に唯一知り合いのデカがいたのである。


 安原(やすはら)健太郎という若手刑事で、組対四課に在籍していた。


 安原が以前言っていた言葉で、未だに引っ掛かっていることがある。


「本庁内に重大な機密がありますよ」と。


 彼は何かを掴んでいたのだ。


 警視庁内部の機密の類を。