「トノさんは以前の訓練の時、弾丸が的の中央から外れてたから、動体視力落ちてると思うよ」


 と言う。


「ああ、確かにね。……定期的に訓練してても、射撃の腕は自然と落ちてくからな」


「そうだよ。加齢すれば、誰でも鈍ってくるからね」


 島田もそう言って、軽く笑った。


 パソコンの電源ボタンを押し、起動させてから、キーを叩き始める。


 庶務は大変だった。


 調書の電子化に忙殺される。


 それにしても、昔の警官はよく手書きでこれだけ書いたものだ。


 感服していた。


 たまに退職警官と会うことがある。


 極稀に、だが……。