警察官は大変だと。


 だが、普段から慣れていることなので、気にしてなかった。


 単に過酷な労働状態が続くというだけで。


 勤務中は、ほとんど暇がない。


 月曜の朝、午前七時過ぎに目が覚めてから、上下ともスーツを着、コーヒーを一杯飲む。


 そしてカバンを持った。


 部屋を出、最寄りの駅へ歩いていく。


 地下鉄に乗り込み、新宿方面を目指した。


 車中でスマホを見ながら、情報を仕入れ続ける。


 朝の時間帯は一番大事なのだ。


 頭の中を入れ替えるのに。


 四十代前半で、壮年期だ。


 確かに入庁当初より、だいぶ気力は落ちていたのだが……。