土曜の昼前、島田が言ってきた。


「ああ。……分かる?」


「うん。ずっとトノさんと一緒だからな。何があるかぐらい分かるよ」


「シマさんはさすがに鋭いな。相方の心情を察するのが上手いし」


 そう言って、軽く息をつく。


 島田が、


「まだ尾花監察官とか横川検事総長のこと、考えてるの?」


 と訊いてきたので、


「ああ、まあな」


 と適当に答えておく。


「考えても仕方ないだろ?忘れろってたって無理だろうから、いったん記憶の奥に封印しておきな」


「ああ。そうするよ」