十月にもなると、街は冬の様相を呈してくる。


 季節が変わるのだ。
 

 また一つ。


 日々署に詰めながら、きつさを覚えていた。


 確かに刑事課内には島田や田之上、樋井がいて、署長室には神名川がいる。


 心労があった。


 ストレスである。


 心に負荷が掛かってしまう。


 いろんな意味で。


 だが、逃げるわけにいかない。


 それに島田がいてくれる。


 確かに署内で、幾分孤立気味だったのだが……。


「トノさん、浮かない顔してるね」