刑事課の強行犯係にいるデカは放っておいていいんじゃないの?」


「まあ、そうだな。<餅は餅屋>って言うしね」


 島田が頷き、俺の隣のデスクに座って、溜まっていた調書などを整理し始めた。


 いろいろとある。


 警察官なら。


 関東六王会の息の根を止めるのは、ここ東京都では警視庁組対部の仕事だ。


 あの組のトップは橋岡だったが、ナンバーツーで補佐役に折原(おりはら)研吾(けんご)という男性がいる。


 俺も知っていた。


 あの組織を壊して解体させるには、実質折原が率いる下っ端の連中を片付けないといけない。


 まあ、組対の連中もまた、長期間の内偵をするだろう。


 現代では暴力団は会社組織のようになっていて、皆制服を着ている。


 現役の暴力団対策担当刑事――いわゆるマル暴と呼ばれる人間たちだが――でも怖がるのだ。