そして署長室へ向かう。


 部屋の前に着き、扉をノックすると、中から「はい」と言う声が聞こえてきた。


「失礼します」と言って、室内へ入る。


 署長席にいる神名川に向かって、


「ご用件は何でしょう?」


 と訊いた。


「うん。君と島田警部補のことだがね。一応、本庁に異動になっても、コンビを組んで動いてもらうことが決まりつつあるんだ」


「そうですか」
 

 一言そう答えるしかなかった。


 神名川が、


「心配するな。悪いようにはならない。……同じデカだからな。本庁にいようが、所轄にいようがね」


 と言い、頷く。