警察もずっと手をこまねいている。


 まあ、所轄の警察官だけじゃ、手が足りないのが実態だった。


 だから、警視庁の力を借りるしかない。


 そう思えていた。


 土曜が終わり、日曜の朝、通常通り出勤する。


 署に行き、刑事課フロアに入っていって、島田に、


「おはよう、シマさん」
 

 と言った。


「ああ、トノさん、おはよう。……署長がお呼びだよ」


「署長が?」


「うん。署長室に行った方がいい」


 島田がそう言って、パソコンに目を落とす。


 パソコンの電源ボタンを押して、起動させ、コーヒーを一杯飲んだ。