巷には恐ろしい犯罪者たちが存在しているのである。


 若手の警官が殉職した話も聞いたことがあった。


 二、三年前に。


 やはり平成っ子だ。


 俺も島田もしっかり武道をし、心身ともに鍛えていた。


 そして金曜が流れるように過ぎ去っていき、土曜も通常通り勤務がある。


 普通に署に出勤し、島田と顔を合わせた。


「トノさん、本庁の組対のデカが関東六王会関係者の取調べを終えて、もうすぐ送検されるらしいよ。長年溜まってた膿が出せたね」


 島田がそう言って、またパソコンに目を落とす。


 頷き、


「ああ。俺も仕事しないと」


 と言って、マシーンを起動させた。