黙っていても、仕事をするものと思っているからだ。


 その日の午後二時過ぎに、署の剣道場で鍛錬した。


 島田と共に、だ。


 俺の方は五段で、島田も四段だったから、高いレベル同士で鍛錬し合っていた。


 いつも思う。
 

 新しく入ってきた警察職員は、あまり武道をしたがらないと。


 平成生まれの人間たちが、入庁してきている時代である。


 そういった所定の訓練に関し、抵抗があるのだろう。


 そう思えた。


 確かに年齢では二回りほど違う。


 俺も感じているのだった。


 仮に凶悪犯と対峙した際、どうするのだろうと。


 新参の警察職員は、鍛錬不足だと思えた。