と訊いてきた。


「ああ、まあな。俺も人間だからいろいろ考えるし」


「考え過ぎはよくないよ。仕事がおろそかになっちゃうし」


「まあ、そうだね」


 一言返し、またキーを叩き続ける。


 そして午前中仕事を終えると、仕出しの弁当が配られた。


 いつも決まって幕の内なのである。


 四十代でまだ若いとは言っても、食事には気を付けていた。


 ずっとそうだ。


 確かに食事を気に掛けないと、定期検診の血液検査の数値などが悪くなる。


 いくら若くても病気する人間は病気するのだし、年齢を経ても健康的な人は大勢いるのだ。


 そんな極当たり前のことが分かっていた。