歩き出そうとした彼女達にもう無駄だ、と言おうとしたら、
いきなり女が振り返り、悪魔も虜にさせるように微笑むと、また歩き出した。

その場にいる全員が固まった

その直後、

後ろからバキッという骨が折れる音がした

慌てて振り返ると、ひとりの老人がにこにこしながら追いかけようとしている俺の仲間を殴っている

服はタキシードで、どこかの執事のようだ

「全く、お嬢さまは人使いが荒いんです。…
まぁ~、お嬢さまに手を出したのが間違いですけど…まぁー一回


   地獄をみるといい

          」



それがまるで死刑宣告のようで体が震えた。

どちらがお嬢さまなのか今では分からないが、

その後に、鈍い痛みが身体を駆け抜けた。