とっても優しい俺様王子様♪

唇に柔らかいものが…。

え⁉︎

奏多君に…キスされてる?

「…んっ!…かな…た…く…んやめ…」

荒々しい…冷たいキス。

ファーストキスがこんなのは…やだよ。

「うぅ…」

「…!ごめ…ん」


なにか言わなきゃ…。

なのに…。

涙が止まらないよ…。

「ヒック…う…」

「ごめん…。嫌だよな。いきなりして本当にごめん」

「…?」

「勝手に俺の女になれとか言ってごめん」


なんで…?

それは…良いのに。

「今までごめん。別れよう?」

「…ぇ。かな…た…君?」

「別れようもなにも付き合ってねぇよな。ごめん。その…好きな人ってやつと幸せになれるといいな」


好きな人は…奏多君だよ?
なに言ってるの?ねぇ?

「もう、話すことは…一生無いかもな」

奏多君の最後の言葉が1番強く傷ついたかもしれない。

たった4文字の言葉なのに…。






さよなら





俺って相当、美里にハマってるかな。

ナンパされてるのを見て助けた。
何かされてるんじゃないか…そう思ってマジで焦った。

ナンパ男達が逃げなかったら…
殺しちまってたかも。

それぐらい、美里の事が好きらしい。

これでアイツと両想いになれたら…。

どんなに幸せだろうか…。


「やっぱ…気持ち。伝えねぇとダメだよなぁ」


いつか、伝えてやる。

好きだって。
「お、奏多じゃん!はよ!」

「はよ」


コイツは、斎藤 陸【さいとう りく】。
俺の幼馴染で親友。
だから俺の本性も知ってる。

あ…美里だ。


「私ね…好きな人が出来たの」


…は?
好き…な人?


「…え⁉︎美里に…好きな人⁉︎」

「ちょ!声大きいよ…」

「あ…ごめんごめん」


コイツら…俺に気づいてねぇ。


「で?誰なの?」

「あのね…」

「へ〜!美里ちゃん。好きな人出来たんだね?」


…聞けなかった。
聞きたくなかった。

だから、声をかけちまった。



「奏多君⁉︎」
「佐倉⁉︎」


驚き過ぎだよ。
やっぱ、気付いてなかったか。


「…あんた、盗み聞きしてたの?最低ね…」


違う。
聞こえたんだ。


「聞こえてきちゃったんだから。しょうがないでしょ?僕、隣だし」

「「あ」」


忘れてたのかよ?


「え。もしかして僕が隣ってこと…忘れてたの?」


いかにも『話に夢中で忘れてました』って顔してるし。

俺の存在を忘れるとか…。
くそッ。


「酷いな〜。あ、そうだ。美里ちゃん!今日、話があるから…誰もいなくなるまでこの教室で待っててくれない?」

「は…い」


美里に聞くしかない。
誰が好きなのか。

『俺だったら良いな』

そんな期待を胸に抱いていたのに…。
「はぁ…」

「どうしたんだよ?奏多。溜息ばっかついて」

「別に」


…美里の好きな人。
誰なんだろうか。

俺じゃなかったら…。

さっきから頭ん中そのことばっかりだ。


「あ、もしかして好きな人に振られた…とか⁉︎」

「…っ。」

「え⁉︎マジ…?」


違う。
まだ。まだだ。
振られてはいない。


「振られてねぇよ。つか、告ってねぇし」

「好きな人はいるんだ?」

「…あ」


コイツにバレるとめんどくせぇ。


「え⁉︎誰々??教えてよ〜!親友だろ〜?」

「はぁ。こういう時だけ親友使うなよな」

「じゃあっ!俺の好きな人教える!だから、教えて!」


コイツ…好きな人いたのか?
興味あるな…

ん?


「おい。美里じゃねぇよな?」

「残念!おしい!俺が好きなのはね…。長門鈴ちゃんなんだ」


おしいってなんだよ…。
って…。