俺は、何も知らなかった。


いじめられてること。
あいつは何一つ言わなかった。


いや、それはあいつの優しさだった。

心配かけまいといつもと同じように接してくれた。



ズルかったのは...俺だ。







なぁ...奏斗。
俺はお前が強いってこと、誰よりも知ってんだ。

いつでも俺を助けてくれたのはお前だった。

でも、俺は...お前を助けたことなんて。

一度もなかった。



ごめん、ごめんな...奏斗。