彼は私に気付いてチラッとこっちを見たけど、すぐに前を向いた。
こ、怖い……。
「ちょっと初奈？どうしたの？」
「い、いや！なんでもないよ！」
まぁ、怒鳴られるよりマシか……。
もう忘れよう！
心を落ち着かせて席に座った。
―――そしてそれから入学式を終え、帰りのＨＲがはじまった。
「えー、明日は配布した資料に必要事項を記入して明日提出です。お願いしますね」
うわ……資料５枚もあるのか……。
「はい、じゃあ今日はこれで解散です」
担任の先生の声で、みんな教室を出ていく。
「初奈、また明日ね」
「うん！またね、琴葉！」
琴葉に手を振り、教室を出る。
