「・・その”運命の人”ってのがさ、

仮にいたとしてもさ、50年後とか60年後とかに

現れる運命だとしたらどうする訳?!」

彩香の言葉が、なぜか引っ掛かった。



50年、60年・・私は待てるのだろうか。
運命の恋人を。

その時、ふと、子供の頃、祖母と交わした会話を思い出した。

「おばあちゃんは、おじいちゃんがいなくて寂しくないの?」


一人で暮らす祖母に幼い私が尋ねた問いに、祖母が返した言葉だった。


「おばあちゃんはねぇ~

おじいちゃんが

元気で帰って来るのを

ず~っと待ってるんだよ。

だから、寂しくなんてないの」