「‥水沢‥さん?」


彼が問い直す。


「‥あ、いや、俺の‥親戚にも水沢っているから!」



そんな彼との会話のやり取りに、緊張のあまり逆に饒舌になった私は、下らない冗談を返す。



「‥そうなんですか!まさか親戚じゃないですよね!私たち!」



気のせいか、一瞬、彼の表情が強張ったように感じる。



げ‥私と親戚なんて心外だって事‥!?


凍り付いた空気を和らげようと私は更に口数を増す‥



「‥普通に日本の名前なんですね~

何か‥シュナイダー・リクとか

ステファン・リクとか‥

そういうのイメージしてたから‥」