離陸が近づくと、今までゆっくりと助走していた飛行機は、本気を出したみたいに、物凄いエンジン音を鳴らし、猛スピードで走り出した。

ちょっと怖いかも・・



「璃子、大丈夫??

不安な時は、こうやって手繋ぐんだよ。

ロシアのおまじない。」




そう言って、離陸直前、陸は突然、私の手を握った。

ひざ掛けの中で、私と陸はしっかりと指を絡ませ、手を繋いでいた。


しかも・・これって・・恋人繋ぎ・・!!?


そっちに気を取られ、気づけば飛行機は雲の上にいた。