祖母は、うっすら私に向けた笑みを閉ざすように次の話を続けた。



「英一郎さんの出征を見送る駅で私は、


‥待ってますから!!!


私は、この子と、あなたの帰りを


待っています!!!


どうか・・どうか・・って泣き叫んだよ。


覚悟はしていたけど、辛くて辛くて・・


非国民だと思われたろうね・・


だけど、お国の為に死んで来いなんて・・


嘘でも言えなかったよ。」




聞き覚えのあるセリフ。デジャブ?

否、それは、いつか夢で見た光景そのものだった・・。

やっぱり、おばあちゃんのことだったんだ。

祖母の話に、私は確信した。

当時を思い出し、時折、嗚咽を漏らしながら、祖母は話を続けてくれた。