「それで、根負けした両親がやっと認めてくれて、


昭和18年11月13日、英一郎さん21歳、私が18歳の時にようやく結婚できた。


その日は、私の誕生日でもあったんだよ。


戦争中だったから、物がないし、結婚式なんてそんなたいそうな事はできなかったけど、


初恋は実らないって言うでしょ?


私は、初恋が実って、英一郎さんと一緒になれて幸せだった。




だけど・・幸せは長く続かなかったよ。


翌年12月、結婚してようやく一年が経とうという時に、


英一郎さんの元へ召集令状が届いた。


そして、英一郎さんは出征した。


私とお腹の子供を残してね。」



祖母は、涙を浮かべていた。