駅で彩香と別れ、電車に乗る。

彩香との会話を振り返り、私は、陸に真実を確かめようと思った。

その前に、私には、確かめなければならない事がある。



電車を降りると、自転車に乗り、私は、家に帰らず、祖母の家へと向かった。



祖母の家は、同じ町内で、自転車で10分くらいの距離にある。


父が転勤族だった為、ずっと借家暮らしだった私たち家族。


父が、この町に家を建てると決めた時、


一人で暮らす祖母に二世帯住宅の話を持ちかけたそうだ。


でも、祖母は、いつ祖父が帰って来てもいいように、


自分はこの家で一人で待つと二世帯住宅を拒否したのだそうだ。