「あなた・・陸のいとこなの?!」



事態が呑み込めずにいる私に、彼女は続けた。



「聞いてないの・・?


陸のおじいさん、


”水沢英一郎”って言うの・・」



鼓動が大きく波打つ。



聞き覚えのあるその名は、

一度も会った事のない、私の祖父の名と同じだった。



「なるほどね・・


陸、この近くにおじいさんが残した家族がいるって知って


いろいろ調べて、探し回ってたの・・


あなたが、いとこだったなんて・・


だから、陸はあなたに近づいたのね・・!


いとこなら、恋人同士なんてありえないしね。


勘違いするとこだった!」



一人納得したように話し続ける彼女を残し、陸も待たずに私は、図書館を飛び出した。