「異世界から来たといえ、今は私の側室だ。無礼は許さない」


断固たる姿勢を崩さないオズヴェルドに、ゼオドアはわざとらしく驚いた。


「いやいや、まあ・・・。こんなに一人の娘にご執心になられるなんて・・・」


一緒に居れなくはなったが、この国でのユノの立場は守る。


「ユノは、私を魅了してやまないのだ」

「それでは、カルディアのどこがご不満か? 先日のパーティーの件、しかとこの目で拝見しましたぞ」

「あの件は、私が了承したことではない。クレア王妃が勝手に決めたことだ」


しかし、この事実だけ述べても引かないだろう。あと、もう一押し。


「カルディア嬢には、クレア王妃の戯言に付き合ってもらって、感謝している」

「それならば。カルディアと会っていただけますな?」


驚いてしまった内心を、必死で顔に出ないように隠す。


「それはどういうことだ?」

「カルディアが会いたがっております。本日も連れてきている。・・・会っていただけますね?」


これを断れば、話がさらに延びてこじれそうだ。


「わかった」

「私は出ていきますので、レヴァノン殿も出ていただけますな?」

「誠に申し訳ありませんが、それは出来かねます。オズヴェルド様の身辺警護が私の仕事なので」

「短時間なら構わない」


レヴァノンが驚いたようにこちらを見るのが分かったが、話を収拾させるためには仕方がない選択だった。