そう頭の中で結論づけても、心は簡単にはいかない。
どちらにせよ、ゆのは自分の時計が必要だと思った。
それを見つけるまでに自分の心とケリをつけよう、と。
そう決めても、まだ身体が怠くて動けなかったゆのは、それから数日部屋で休み、自分の時計を探し始めた。
本当に広いなぁ。
大きな窓から見える、色とりどりの花々や動物、暖かい太陽ーーー
ゆのは城の廊下を歩いていた・・・オルフェ付きで。
本当は一人で時計を探したかったのだが、オルフェの目を掻い潜ることはできなかった。
オルフェがいるため、いかにも怪しそうなところは探せない。
というか、探しているフリも難しい。
城の散策という名目でゆのは動いていた。
探すと単に言っても、どこを探していいかわからない。
怪しい扉がないかだとか、その程度になりそうだ。
ゆのの時計は懐中時計のような形で、蓋を開けると針と文字がある。
あの夢を見ているときは読めなかったけれど、レヴァノンに文字を習った今なら読めるかもしれない。