「そうですか・・・」
残念そうなレヴァノンの声を聞くと、罪悪感が沸いてくる。
私は自分の都合だけで、情報を明かさなかったーーー
「オズヴェルド様のことですが・・・。ユノ様がクレア王妃様によって召喚されたのならば、お二人には離れていただかなければなりません」
右手の人差し指に浮き出た、黒い模様を思い浮かべる。
「今回みたいなことが、ある、から?」
「そうです」
ゆのにはわかっていた。
ハジにオズヴェルドと一緒にいるのは難しいと言われたとき、動揺したのは確か。
それでも、クレア王妃の狙いを考えれば、その判断は適切だ。
「私は早く元の世界に帰るべきだよね・・・」
レヴァノンは何も言わなかったが、それが無言の肯定にゆのは思えた。
レヴァノンが部屋から出ていき、一人になってゆのは考える。
自分はどうしたいのか。
元の世界に帰りたくない。
オズと一緒にいたい。
でも、オズの足枷になるのは嫌。
これからこの世界に残っても、オズとは一緒にいられない・・・
そう考えると、帰るべきだとゆのは思った。