森の出口まで着くのにそんなに時間はかからなかったが、魔族の数が多すぎたちめ、コトノにはほとんど体力が残されてなかった

ギルも限界を通り越して、半分意識が飛んでいるため、森から少し歩いたところにある宿で休むことにした




コンコンと部屋にノックの音が響く


「誰だろ、こんな時間に」


外は暗く、部屋は闇に包まれていた

部屋の主であるヒナタは扉を開ける


「あれ、ギル様」


「……鬼主はいるか、鬼」


コトノに会いに来たらしいギルをヒナタは冷たい目で見る


「いますけど、残念ながらもう寝てます。今日は動き回りましたから」


「お、起こせ！いますぐに！！」


そう言って部屋の中に入ろうとするギルをヒナタは入れないように壁となる

それが腹立たしいのか、男の声は大きくなっていく


「いいからいれろ！！この魔族が！！！」


どこから持ってきたのか、ギルの手にはナイフがあった

そのナイフはヒナタの胸へ心臓をめがけ振り下ろされるが


「……いいかげんにしろ」