これが最後だ。



これで、伊吹くんが来なかったら
諦める。




でも、わたしは全然悲しくない。


むしろ良かったとさえ思ってる。



ちゃんと、言葉にすることができたから。



「おはよう!桜子!」


「美哉くんおはよ!」


「言えたか?」


「あ、……うん。結果は今日の放課後…」


「そうか……!頑張ったな!」



わたしが頑張れたのは、
美哉くんが背中を押してくれたからだよ。


ちゃんと言葉にしろって言ってくれたからだよ。



「ねぇ、美哉くん、本当にありがとう。」


「俺別に何もしてねぇよ?」


「ううん。してくれたよ。たくさん。」



わたしがそう言うと美哉くんは
「そうかー?」なんて言いながら首を掻いた。



照れてる……



そんなことを思っていると
体育館へ集合の合図が放送から流れた。