伊吹くんが別の人に
片想いをしていることを知ってから
約2週間が経つ。
もうすぐ、5月になろうとしている今日この頃。
最近では裕介のことを考えなくなってた。
だって、伊吹くんに近づく出来事があって
気が紛れたから。
それは1週間前のこと。
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『じゃーね、美哉くん。』
『おう!じゃあな!』
いつものように学校が終わり、
美哉くんと教室内で別れそれぞれ別々に帰る。
そして、たまたま、
わたしが教室を出ると伊吹くんもまた
隣の教室を出てきた。
『あ、桜子ちゃん』
この前わたしの名前をやっと伝えることができた。