「ところで、何でさっきあんな暗い顔してたの?」

「そのー……… 恥ずかしいんだけど、友達が出来るかすごく不安でさぁ!」

そう、私が言うと麻里がニコッと自信たっぷりの笑顔で

「出来たじゃん!」

「えっ?」

「と・も・だ・ち」

自分を指差しながら麻里が言った。

「うん!そうだね。友達だね。」

私も嬉しくなって、思わず笑顔になった。

(どういうのが友達なのかわからないけど、友達っていいなぁ)

「よかったじゃん!美穂ちゃん。」

後ろから声がして振り返ると小野君が、見とれてしまうような笑顔でガッツポーズをしていた。

「うん。小野君もありがとう!」

「裕也でいいよ。美穂。」

「ありがとう。裕也。」

(少しとゆうか、かなり照れくさい。男子に呼び捨てされたのが初めてだったから。)

その時の私はまだ気づかなかっただけ、笑っていられるのは今だけということを…………