hayata

「頭いてぇ…」
これはやばい
葵起こしに行かなきゃな…
あいつ起こさなきゃ学校遅刻する
あーでも動いたらしんどいし…
pppp…
『…んー?』
あ、出た
よかった
「葵?朝」
『…もぅー?眠い…』
「葵?俺今日休むわ」
ピっ…
え?電話切れたんですけど…
「隼太⁈なんで⁈どーして⁈大丈夫⁈」
わ、こいつ一気に起きたし
「ごめん、だるいわ今日」
「え、私も休む‼︎」
は?ダメだろそりゃぁ…
結局休むと言い張る葵を学校に行かせるために玄関まで歩いたけど

しばらくすると
ダンッ
は?玄関から音が…
「隼太?大丈夫?」
「おまっ…学校」
すると葵は顔を真っ赤にさせながら
「は、隼太が…心配で」
「それ…反則」
「え?なんて?…あ、ゼリー買ってきたよ‼︎ぶどう味だよね?あと、朝どうせ食べてないでしょ?お粥、作るから待っててね」
はい、どうぞってゼリーとスプーンを渡してきた葵の手は震えていた
「はっ隼太⁈」
いつの間にか俺の手は葵の手をつかんでいた
「…手」
「え?手?」
「どーした…?」
「あ、えっと…」

「お粥…作ってくるね」

「…た?隼太?」
「…ん?」
「もう、夕方」
は、嘘だろ?って思ったけど、辺りは真っ暗
「…大丈夫?」
「もうだいぶ楽になった、ありがとな」
「違うよ…?」
覚えてない?と葵
「隼太、さっき泣いてた…」
「お、俺が?」
「葵、葵って…ずっと」
…嘘だろ…
「葵どこにも行くなよって…私はいるからね、ずっと」
「お、おい、泣くなよ…」
人が泣いてるともらい泣きしちゃうの‼︎
って、そんなおこんなよな
「どんだけ心配したと思ってんの⁈隼太滅多に泣かないから、心配通り越して焦ったよ‼︎」
「…確かに、俺泣かねぇな」
ふっ…と笑う。
この時俺はまだ自分の気持ちに気付いてなかった

次の日、俺は治ったと思っていた
…が
「だーめ‼︎絶対治りかけ‼︎学校は休んで!ね?」
…葵いわく治ってないらしい
「おい、遅刻する」
「遅刻?…あぁ、今日休む」
…は?
「もう、先生には言ってあるから大丈夫だよ」
隼太が治るまでは私も休むの‼︎
…ほんっと…いって聞かないトコは
かわんねぇなぁ
「葵…」