aoi
pppp…

「ぅ、わぁ‼︎」
ち、遅刻するぅ〜‼︎

「行ってきます‼︎」
「葵、朝ごはんは?」
「遅刻だってば‼︎」

あ、私、村田葵
最近高校に入学したばっかの…
って、そんな時間な〜い!

「あんた、朝ごはんは?」
「遅刻するっつってんだろ⁈」
…あ
すると、向こうも気づいたらしく
「遅刻?だっせぇ笑」
「あ、あんたもでしょーが‼︎」
なに言ってんだか…
「…うしろ」
「…え?」
「後ろ!乗ってく?っつってんの!」
もー、早く乗れよー…って
ちょっと…うれしいじゃん。
「ん、乗る」

あ、こいつは隣の家の幼馴染の
村田隼太
そーなんです。みよじが一緒
ま、なんだかんだ言って
私はこいつに

片思い

してる

隼太がチャリを全速力で
こいでくれたおかげで
なんとか遅刻しないですんだ
…は、いーとして、だ
「あ、W村田だ」
「朝からラブラブっ」
ぁあ!朝からうっとうしい!
みよじが一緒ってだけで、コレ
…嬉しかったりも、するけど
でも、隼太は
「あー、うっとーし」
だから私もうっとうしい

そんな平和?な私たちに事件が

帰りも隼太のチャリに乗せてもらい、
帰ってくると
「葵ちゃん!お帰り〜」
「あ、隼太のお母さん」
ちょっと家よってかない?と
言われ、今は隼太の家
そして…
「…え?」
「んー、やっぱダメ?」
隼太のお母さんから
明日から私と旦那で1ヶ月家
空けるのよね〜
で、それは、葵ちゃんママたちと
海外行くのよ〜!あれ?ママから
聞いてない?で、この子ご飯作れない
から何も食べないで飢え死にしちゃい
そうだから…葵ちゃん、1ヶ月住み込みで、って言ってもお隣だけどね、ご飯とかしてくれないかしら?確か葵ちゃんお料理上手だったわよね〜?あ、ちゃんとお金は置いていくわよ!そこは安心してね

な、なんだと…?
住み込み?
1ヶ月?
毎日?一緒?
イッショ?
私の頭の中はピンクだったが、
冷静に考えれば隼太が嫌がるかも
しれない
「わ、私は隼太がいいならいいですけど」
「俺としてはありがてぇけど、葵が」
わぉ、声が被った
「じゃ、決まりねっ」
え、決まり?あ、決まっちゃいました?
「じゃーぁ、葵ちゃん」
「は、はい!」
「もう、明日の朝から私たちいないから、早速荷物準備してきて?」
「あ、えと、了解です!」
な、なんか急すぎて…はっ!
これって…いわゆる
同棲
って奴ですかね?
「お母さん‼︎」
「あら葵遅かったわね」
そんなことどーでもいい‼︎
「なんで明日のこと教えてくんないの‼︎」
お母さんは、あー…とかいいながら
「忘れてたっ‼︎」
わ、忘れてたじゃねーよ
「とにかく‼︎行ってくるからね⁈」
荷物をまとめて行こうとすると
「…どこに?」
えー…この親マジで信じれないんすけど
「…隼太ん家」
「…あの話、OKしたの」
いや、死なれても困るからね
普通の人ならするでしょ
「行ってきます」
「はぁ…行ってらっしゃい」
そんなびっくりした声だされてもねぇ

「葵ちゃんの部屋はここね」
「あ、ありがとうございます」
1人部屋で荷物を整頓していると、
「葵」
「うわぁっ」
びっくりしたー!隼太か…
「なによ…てかノックぐらいしなさいよ!」
「わ、わりぃ…ちょっと俺の部屋来てくんね?」
…?

「えーっとですね…」
「何?あらたまんないでよ、気持ち悪い」
あぁー、隼太の前では素直になりたいのに…
部屋入れたの嬉しいはずなのに…
強がっちゃう
「そんなんじゃねーよっつか、キモいゆーな」
よかった、いつもの隼太だ
「なんか…わりぃなーって思って」
「え?何が?」
「いや…本当は」
ガチャ…
「隼太ー?あら葵ちゃんいたの?」
ちょうどいいわ、とか言いながら部屋へ入ってきた隼太のお母さん
「もー、なんだよってかノックぐらいしろよ!」
おい、あんたもだよ
内心ツッコミを入れながらもお母さんの話に耳を傾ける
「実は…飛行機の便を1つ早くしちゃったの」
「は…今⁈」
「そう!で、今から行かなくちゃいけなくて…」
「あーもーマジ意味わかんねぇし…
とっとと行けよ」
「あら、そう?じゃあ行ってくるわね〜」
ん…?
今どーなってんの?
「は、隼太…」
「ん?」
「い、行っちゃったの…?」
「…行きましたとさ」