「…でも、」

「でもじゃないわよ!炯香。
他に推薦してくれる人いると思うの?
お母さんがあの会社勤めてたのだってきっかけかもしれないし!」

「そうだそうだ!
俺らだってすごく痛いと思ってるんだぞ!!!」

……はあ、

なんでこうも嘘つくんだろう。

そう思いながら一息吐いて、私は汗だくで説得する彼らに視線を眺め。

「……どうしてでもですか」

一言野次を入れる。

すると、彼らは知っているなんて思ってなかったらしく目を見開いて。

わかりやすく
「え?」と顔を露わにした。

顔を露わにした彼らに予想ついていた私は心底自分が嫌いになった。


ーーーーー昔は、

もっと自由でもっと発揮できて、
もっともっとやりたいことを我慢した。


そして。いまも変わらず。

だけれど、それをすることにもきっと分かってくれないだろうと確信している。

なぜならーーー私には信じるというものは限られているから。


「お前………」

社長はあまりにもそのことにびっくりしたらしく、口がこぼれる。

もちろん、予想なんてわかっていて。

汗だくで待ち構えている二人に
ニヤリと笑いながら、

発言する。

「嫌いなんでしょ?私のこと」

「………」

「ずっと、避けられてるぐらいでわかりますよ。」

「炯香…!」

信じられない目と開ける美浜。