【ひらがなの手紙】
まだ、私が5歳のとき
病気がちだったお母さんは、ひらがなを覚えたばかりの私に、ひらがなだけの手紙をくれた
そして、私が6歳のとき
これがお母さんの最後の手紙となった
「みくちゃんへ
おかあさんは、みくちゃんがおなかのなかにできてから、せかいいちしあわせになりました。
みくちゃんのえがおをみると、おかあさんもうれしくなるし、みくちゃんがないてると、おかあさんもかなしいです。
おかあさんにとって
だいすきでだいすきで
だいじでだいじな
みくちゃん。
おかあさんはそろそろてんごくへいきます。
てんごくはね、みくちゃんのすきなおはながたくさんさいているんだよ。
おかあさんはそこで、みくちゃんをいつもみまもっているからね。
だから、つぎはみくちゃんがせかいいちしあわせになってね。」
お母さん、私、この春に結婚します
世界一幸せになるからね