体育館を出たときに、
何か違和感を感じた。
ポケットの中を確かめると、
何かがない。
だが、何が無くなったのかはすぐに見当がついた。
「佐々木!」
「ん? な…なんだよ」
「体育館に座ったとき、携帯を落としたみたいだ。 ちょっと取ってくる。」
佐々木は、何だそんなことかと言わんばかりに変な顔をした。
「わかった。ここにいるから行ってらっしゃい。」
俺はすぐ振り返って、誰もいないことを確認してから歩いた。
もう振り返りざまに誰かに当たるのはごめんだ。
体育館の中はもう誰もいない。
体育館の真ん中に、自分の携帯があることに安心した。
「俺としたことが、携帯を落とすなんて。」
と、言いながら携帯を拾った。
だが、携帯のそばにカードのようなものも落ちていた。
「これも落としてしまったのかな。」
そばのカードも一緒に拾ってみると、それは生徒証明書だった。
ただし自分のではない。
「この顔は…さっきぶつかった子だよな。」
見た感じ、黒髪にロングで、可憐な顔をしている。
「桜井…愛花?」
名前は桜井 愛花(さくらい あいか)で、同い年、クラスは6ホームみたいだ。
「6ホームなら隣じゃないか。返してあげよう。」
桜井の生徒証明書をポケットにいれると、体育館を出た。
だが、佐々木がいない。
近くを探してもどこにもいない。
「まったくあいつは…」
少々あきれ顔で一回ため息をついた。
そして息を吸い、
「佐々木ー!どこだ??出てこーい!」
大声で呼んだ。
………「はーい」
どこかで声がした。
声のした方向を向くと、その先にトイレがあった。
そのトイレから顔だけ出している。
「なんだきっくー、でかい声なんか出して。」
「トイレか、ならよかった。 お前がまた訳もなくどっか行ったかと思ってな、トイレはもう済んだのか?」
「おう! じゃあ行こう!」
と、元気よく返事をするとこっちへダッシュしてきた。
その時、横の廊下からも誰かが走ってきた。
その人と佐々木が抜群のタイミングでぶつかった。
「ごふぅ…」
「痛い!」
俺は急いでぶつかった現場へ駆け寄ると、佐々木が先に立ち上がった。
「あ~…悪い。大丈夫か?」
「いえ、そちらこそ…」
と言いながら立ち上がった。
そこに俺が到着した。
「あ! いおちゃん!」
「あー きっくー! どうしたの? まだ帰らないの?」
「いやぁ、これがカクカクシカジカで…」
このとき佐々木は黙って立っていたので、あまり待たせてはいけないと思い、こちらの説明とおわびを言って会話を終わらせた。
「じゃあね、いおちゃん。」
「バイバ~イ。」
いおちゃんは手を振り終えると、すぐにまた走り出した。
「愛花さんの落とし物、早く探さなきゃ!」
何か違和感を感じた。
ポケットの中を確かめると、
何かがない。
だが、何が無くなったのかはすぐに見当がついた。
「佐々木!」
「ん? な…なんだよ」
「体育館に座ったとき、携帯を落としたみたいだ。 ちょっと取ってくる。」
佐々木は、何だそんなことかと言わんばかりに変な顔をした。
「わかった。ここにいるから行ってらっしゃい。」
俺はすぐ振り返って、誰もいないことを確認してから歩いた。
もう振り返りざまに誰かに当たるのはごめんだ。
体育館の中はもう誰もいない。
体育館の真ん中に、自分の携帯があることに安心した。
「俺としたことが、携帯を落とすなんて。」
と、言いながら携帯を拾った。
だが、携帯のそばにカードのようなものも落ちていた。
「これも落としてしまったのかな。」
そばのカードも一緒に拾ってみると、それは生徒証明書だった。
ただし自分のではない。
「この顔は…さっきぶつかった子だよな。」
見た感じ、黒髪にロングで、可憐な顔をしている。
「桜井…愛花?」
名前は桜井 愛花(さくらい あいか)で、同い年、クラスは6ホームみたいだ。
「6ホームなら隣じゃないか。返してあげよう。」
桜井の生徒証明書をポケットにいれると、体育館を出た。
だが、佐々木がいない。
近くを探してもどこにもいない。
「まったくあいつは…」
少々あきれ顔で一回ため息をついた。
そして息を吸い、
「佐々木ー!どこだ??出てこーい!」
大声で呼んだ。
………「はーい」
どこかで声がした。
声のした方向を向くと、その先にトイレがあった。
そのトイレから顔だけ出している。
「なんだきっくー、でかい声なんか出して。」
「トイレか、ならよかった。 お前がまた訳もなくどっか行ったかと思ってな、トイレはもう済んだのか?」
「おう! じゃあ行こう!」
と、元気よく返事をするとこっちへダッシュしてきた。
その時、横の廊下からも誰かが走ってきた。
その人と佐々木が抜群のタイミングでぶつかった。
「ごふぅ…」
「痛い!」
俺は急いでぶつかった現場へ駆け寄ると、佐々木が先に立ち上がった。
「あ~…悪い。大丈夫か?」
「いえ、そちらこそ…」
と言いながら立ち上がった。
そこに俺が到着した。
「あ! いおちゃん!」
「あー きっくー! どうしたの? まだ帰らないの?」
「いやぁ、これがカクカクシカジカで…」
このとき佐々木は黙って立っていたので、あまり待たせてはいけないと思い、こちらの説明とおわびを言って会話を終わらせた。
「じゃあね、いおちゃん。」
「バイバ~イ。」
いおちゃんは手を振り終えると、すぐにまた走り出した。
「愛花さんの落とし物、早く探さなきゃ!」