それから数日、体育祭を目前にしたある日の放課後。
いつもの4人で杏ちゃんの家に集まった。
それは私の過去を2人に打ち明けるため。
学校で、意を決して「話したいことがあるの。」と2人に言ったのだが、何か察知したのか杏ちゃんが「放課後、私の家に集まろう。その方がゆっくり話も聞けるし。」と提案したのだった。
私もその方が周りを気にせずに話せるかなと思い了承したのだが、杏ちゃんの家に着いて驚いた。
・・・・・家が大きすぎる。
圭人君と和哉君は何度か来たことがあるようで驚きはしなかったが、どこのお屋敷ですか?と聞きたくなるほどの大きさで、玄関に入ると着物を着ている女性数人が「お帰りなさいませ。」と私達を出迎えた。
「今日はお客さんがいるから私の部屋にお茶を。その後は部屋には入ってこないように。」
そう彼女たちに言う杏ちゃんは見るからにお嬢様だった。
お部屋に通されると「ごめん、びっくりした?」と杏ちゃんが苦笑いしながら聞く。
「びっくりしたけど…それ以上に古風で素敵なお家だなぁって思ったよ。」
思ったままを答えると杏ちゃんはそれが嬉しかったのか「うん、私もそう思う。この家好きなんだ。」と微笑んだ。
そしてお部屋の中の少し大きい四角い机を中心に4人で座る。
私の隣には圭人君。前には杏ちゃん。その隣には和哉君。
綺麗なお姉さんがお茶を持ってきてくれて机の上に湯のみを置き、「ごゆっくり。」と言って去っていったのを確認して杏ちゃんが口を開いた。
「それで、話っていうのは?」