帰り道も行きと同じ道を通って帰る。
そしてこちらもまた同じというように手を握られていた。
チラリと彼の横顔を見上げると、何か少し考えているような顔をしている。
彼はきっと優しいんだろうな。私のようなタイプをほっとけない、みたいな。
以前、私の事を好きで一緒にいると言った。
もちろん私も3人とも好きだ。
でもどうしてだろう、圭人君といる時はそれとは違う何かがある気がする。
ちょっと苦しくなったり、恥ずかしくなったり、それに今握られている手が何故か懐かしく感じたり…。
私の視線に気づいたのか、彼がこちらを見た。
「ん?どうした?」
聞いてしまおうか。いっそ聞いてスッキリした方がいいよね。
「圭人君、私、どこか変なのかも。」
と呟くように言った。
「え、どうした、具合悪い?ちょっと待って、病院探すから。」
すると少し目を見張って慌てだす圭人君。
「ち、違うの!そうじゃなくって!」
「そうなのか、じゃあどうした?」
少しほっとしたような顔をして尋ねられた。