「よし、それじゃあ話は終わりだ。谷原とお使い気を付けて行ってこいよ。」
「先生、お使いって…私そんなに子供じゃありませんよ。」
そう言って笑ってしまった。
「ははっ、まあいいじゃないか。じゃあよろしく頼むな。」
「はい、分かりました。」
そして、「失礼しました。」と言って職員室を後にした。
左を見ると、圭人君が廊下の壁に寄っかかって待っていた。
「ごめんね、圭人君。遅くなっちゃって。」
小走りして駆け寄ると、にこりと微笑んで、「大丈夫。」と言った。
「海を待ってる間ここから近いホームセンター調べてたんだ。バスを使うんだけど、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。」
「よし、じゃあ行こう。」
一旦教室に帰って荷物を持った私たちはクラスのみんなに「今日はここまでで大丈夫だよ、お疲れ様。」と言い、解散させてからすぐに出かけた。
バス停は案外近くて、学校から徒歩5分ほどのところ。
圭人君によるとホームセンターのバス停はここから七つ目らしい。
「わざわざ調べてくれてありがとう。」
「いや、お礼言われるほどのことじゃないよ。」
そう言ってまた笑った。