それはまずいんじゃ?と思っていると、それが顔に出ていたらしく、「特別だぞ、皆には内緒な。」と言ってきた。


「分かりました、ありがとうございます。」


「じゃあ気を付けて行ってこいな。あ、その前に染谷、お前はちょっと残って。悪いが谷原は廊下で待っててくれ。」


…私だけ?


「先生、私何かしましたか?」


つい、考えてたことが口に出てしまった。


先生は目を丸くしたあとハハハッと笑う。


「いや、何もしてないから安心しろ。ちょっと話があるだけだ。………谷原、視線が痛い。担任の仕事するだけだよ。」


私に答えた後、何故か付け加えるように圭人君にそう言った。


彼を見ると確かに疑うような目で先生を見ていた。


そしてその目を私に一瞬向けて「じゃあ廊下で待ってます。」と言って出ていった。