「それじゃあ失礼します。」


と、教室を後にしようとする私に先輩は紗彩先輩は「あ、ちょっとまって!」と言った。


先輩の方を向き、何か仕事かな?と首を傾げていると「はい!これあげる!」と言って口に何かを突っ込んできた。


「ふぁっ!?」


いきなり過ぎてびっくりした私に先輩がにこやかな笑顔で一言。


「海ちゃん頑張りすぎだよ〜!糖分とってたまには休憩してね?」


口の中でカランと音がした。甘酸っぱいオレンジの味が広がる。


「あ、ありがとうございます!」



3ヶ月くらい前まで会話なんてろくにしてこなかった私はもちろん褒められることに慣れている訳もなく、恥ずかしいやら嬉しいやらで俯いてしまった。



「海ちゃん可愛い!」


「紗彩先輩の方が…可愛いです。」


「はぁ、海ちゃんを妹にしたいよー。」








そんなこんなで体育係での仕事、人間関係、その上学校生活まで上手くいってて、充実してるってこういう事なのかなと思ってきた。